第5話 「家購入の正しい予算を決める」

まずは、正しい予算を決めなくてはなりません。
予算とは、予算は「頭金(自己資金)+住宅ローン」です。

※ここで一つ注意ですが、よく「頭金0円で購入可能」という不動産のチラシ等を目にすると思いますが、これは自己資金が0円でも購入可能という意味です。
しかし、全く手持ち資金が無くても購入できるのか、というとそうではありません。

まず、売買契約時には必ず”現金”で手付金が必要になります。
その他にも売買契約後住宅ローンなどの手続きを進める際に多少の資金が必要になります。
ですが、諸費用など全ての費用を住宅ローンで借りる事は可能ですので、結果的に「自己資金0円で買えた」という事なら可能です


①まず最初に決めたいのは頭金です。
頭金の平均的な金額は物件価格の1割程度です。
また、頭金の出所として一番多いのは貯金ですが、ご両親に出してもらったり親戚に借りたりするケースも少なくありません。


②次は住宅ローンです。
当然の話ですが、『掛かるお金の総合計-頭金=ローン金額』です。
しかし住宅ローンをご自分がいくら借りられるかを、正確に把握している方は意外と少ない様です。

ざっくり言ってしまいますと35年ローンが組める年齢(銀行により違いますが40~45歳まで)であれば年収の8~9倍が上限となります。
(例)40歳、年収500万円の場合は4,000万円~4,500万年となります。
実際には、最高額から個人の属性(お勤め先、今ある借金の額など)を考慮して決まります。

しかし、借りられる金額と、返していける金額とは違います。
ましてや住宅ローンは長丁場です。短距離走ではなくマラソンなわけですから 「ペース配分=月々の返済額」 を “無理のない金額” に設定する事がとても重要です。
これが、理想の家に出会う為の1つ目のポイントになります。


では、“無理のない金額”金額は何を基準に決めていけばよいのでしょうか?
最も一般的な方法は、『現在の家賃を基準に決める』 です。
毎月払い慣れている金額なので、ココを基準にすると、とってもイメージしやすいわけです。

今の(家賃+駐車場代)がキツければ、もう少し減らして、多少余裕があるならば、少し増やして、という感じです。

ボーナス時に返済をするかどうかで、だいぶ返済可能額も変わってきますが、『このご時世、ボーナスなんて貰ってみないといくら貰えるか分からない。だから、ボーナス時の返済は無しにしたい。』 と言う方がとても多いです。

安定している職業(公務員・一部上場企業など)以外では、ボーナス返済はしない方が良いと思います。
ボーナスは、あくまでもボーナス!
貯金しておいてある程度貯まった時に『一部を内入返済しても良いか』と思える時がきたら返済するのが一番健全な返済方法です。


内入返済は、「その返済額+その分の金利」 も返した事になるので効果的な返済方法です。
精神的にも負担にならずゆとりに繋がります。貰えるか貰えないか分からないボーナスの心配をしないで、ローンを返しながら貯金が出来る。

このようにローンに追われるのではなく、自分でコントロールできるようにしていく事が重要です。
経済的にも精神的にもゆとりを持てるよう、余裕をもった返済計画を立ててください。

③ちょっとまって、戸建てとマンションでは月々の維持費が違う
ここで、具体的な返済額を出す前に、もう一つ重要な話をさせて下さい。
実は、戸建とマンションでは住宅ローンの返済以外に毎月掛かる費用が違います。

マンションには、戸建には無い月々の支払いがあるのです。
1.管理費
2.修繕費
3.駐車場代


この3点セットです。結構家計に重くのしかかって来ます。

多くのマンションがこの3点セットで約月々3万~5万位になります。
“買うときの価格が戸建てより安くても、月々の支払いは戸建てより高い”なんだか納得できない話ですが実際にそうなります。


例えば…
頭金500万円で年利2%・35年ローンを組んで家を買う場合。


例) 戸建ての場合
戸建て4000万円の場合+諸費用(仲介手数料が3%掛かる場合でも物件価格の5%)200万円
=4200万円-頭金500万
3700万円のローン=月々122,567円
※戸建ての修繕費は月々1万円も貯めて置けは十分
結果として月々132,567円位になります。


例) マンションの場合
マンション3500万円の場合+諸費用(仲介手数料が3%掛かる場合でも物件価格の5%)150万円
=3650万円-頭金500万円
3150万円のローン=月々104,347円
※マンションはこれに、3点セット(上記)約4万円位がプラス
結果として月々144,347円位になります。


マンションの方が月々約12,000円も高いです。


“価格は戸建ての方が500万円も高いのに、月々の支払いはマンションの方が12,000円も高い” ことになります。
戸建とマンションの比較は月々の支払だけでは出来ませんが、単純に「マンションの方が安くて買いやすい」と思っていた方は、この点に十分気をつけて下さい。


上記の事を踏まえて頂きまして、早速アナタの適正な予算を出してみましょう。
大ざっぱに言ってしまいますと住宅ローンは下記の様になります。
月々返済額×300倍=借入金額
月々の返済額を10万円までにしたい場合は、借入金額を3,000万円までにする!

ポイント:①頭金(自己資金)
    ②住宅ローンの借入可能額を知る
    ③返済できる金額から借入限度額を決める
しかし、マンションは戸建てより維持費が掛かることに注意!

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