
第12話 「価格交渉は仲介業者で変わる」
気に入った物件と業者が見つかったらいよいよ購入の申込ですが、その際に重要なもうひと仕事、『価格交渉』が残っています。
「どうせ同じ家(物件)を買うなら安いほうが良い!」当たり前の心理だと思います。
では、誰と交渉するのか?
それは、直接販売業者の場合はその業者ですが、仲介業者がいる場合は仲介業者に売主と交渉してもらいます。
あなたが、直接不動産のプロの売主と交渉するよりは、プロにはプロに交渉させるのです。
あなたは、仲介業者のお客様ですから、仲介業者にしっかり仕事してもらいましょう。
※通常、価格交渉をする際は必ず購入の申込が必要となります。
これは売主が具体的にご購入を検討しているお客様がいないと価格交渉のテーブルにつかないからです。
では、あなたは仲介業者をどの様に利用すれば良いか?
ここが肝心です。例えばこんな感じで話をして下さい。
アナタ、以下A)
「この物件けっこう気に入ったんだけど、予算オーバーなんですよ。少しは安くなるのかなぁ?」
仲介業者、以下B)
「1円も安くならない、ということは無いでしょうけど、あんまり安くならないと思いますよ。」
A)「いくら位なら安くなるのかなぁ?」
B)「さぁ、売主様に聞いてみないと何とも・・・。」
A)「じゃあ、聞いてみてくれます?」
B)「良いですけど、申込をしないと売主様は価格交渉には応じてくれませんので、ご希望の金額で申込をお願い致します。」
A)「いくら位で申し込もうかなぁ?」
B)「端数を切る位が限度だと思いますよ。」
A)「端数?それっていくら?80万円?」
※ここで言う端数とは、例えば、価格が3,580万円の物件なら30万か80万円です。
ここでアナタは80万円の方だと思ったフリをして下さい。
そして、相手の仲介業者の反応をみましょう。
もし、仲介業者の反応が、
B)「ええ、そうです。80万円です。」 ときたら・・・
A)「80万円かぁ、けっこう厳しいね。それじゃあ買えないなぁ。」
B) 「いくらになったら買うんですか?」
A)「まだそこまでは考えてないけど・・・。」
B)「これ以上は無理だと思いますよ。」
A)「例えば180万円の値引きで申込をしたら、何か問題はあるの?」
B)「特に問題は無いですけど、多分無理だと思いますよ。」
A)「では、問題が無いなら180万円値引きの金額で申込みます。」
B)「無理だとは思いますけど、やってみます。 」
これは、最初に仲介業者が 『いいえ。80万円ではなく、30万円です。』 といった場合も同じです。
その場合は130万円の値引きで申し込んで下さい。

営業マンは買ってもらわないと1円にもなりません。
ですから、お客様に依頼をされれば通常は必至で価格交渉します。
ただし、高い金額(または満額)で申込んでもらった方が話がまとまり易いので、少しでも高い金額(または満額)で申込むよう誘導しがちです。
大事なのは仲介業者が言う価格を鵜呑みにしない事です。
相手の反応を見ながら話しを進めていき、最後にもうこれ以上は無理だと思った時に初めて、具体的な金額を言って下さい。
最初から買う気マンマンで話しちゃダメです。
相手を焦らして出てきた答えについて判断をして下さい。
そして、最後に出てきた答えよりも“少し安く申込む”これがより良い申込のカタチです。
実際の値引き額は、売主様の状況によって変わりますが、最大限の値引きを引き出したですからね。
注)ここで注意点ですが、
購入をご検討しているお客様は他にもいる可能性があります。
売主は1円でも高く買って下さる方を優先したがりますが、基本的には一番早く申込んだ方に売主様との交渉権があります。
従いまして、まずはご希望の金額でより早く申込む事が大切です。
また、申込を行ったからと言って、必ず購入しなければいけない訳ではありません。
仮に希望通りの値引きがOKになったとしても契約をしなくてはいけないわけではありません。
